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現実の経済を前提とした経済原理

あなた自身の経験に照らし合わせて確かめてください

第五部:経済学の現実

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『23 結論
 以上記した様に、まずもって経済学に対する認識が一般の人々と経済学者では大きく違っている。基本的に一般の人々は、経済学が現実の経済に対する学問だと考えているが経済学者はそう考えていない。
 中でも主流派とよばれる数理経済学は非常に現実から乖離しており現実の経済に対しては誤った理論である。また、それら主流派を批判する非主流派とよばれる多くの理論は、主流派に比べると現実に近づいているが、とはいえ、その非主流派も含め、現在までの多くの経済理論は根本的に現実の経済を扱おうとさえしていない様に見える。
 経済学史的に本論を位置づけるなら、アダム・スミスからカール・メンガーへの流れの先に位置付けられると考えられる。経済学批判に関しては、批判的実在論者に同意するものであり、その整合性も高いと考えている。他にも、今までとは違うアプローチで現実に適合した理論を探そうと、その方法論から模索している進化経済学などには共感を覚えるものである。しかしながら、批判的実在論者達も進化経済学者達も今までの理論の代わりとなるような新しい理論は提案できていない。そこで、今までの理論の代わりとなる新しい経済の基礎理論として本論を上梓する。』

 

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20 失業

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『20.1要約
 本章の目的は、失業の意味を明らかにし、その要因を考察することである。従来の主流派経済理論では、失業は起こらないことになっている。つまり、従来の主流派経済理論では失業について明らかに出来ない。そのため、本論を下に失業の意味を明らかにし、その要因を明らかにすることを通して、考察を行う。加えて失業のもう一つの側面でもある被助の喪失や不足についても考察を行う。本論の考えに従えば、失業とは加助を行う機会を持たない状態である。また、現在使われている失業という言葉には、職を失うという意味での動的失業と職を持たないという意味での静的失業の2種類がある。また要因として、大きく二つに分類が出来る。一つは、助け合い自体が行われるかに関わる絶対的要因であり、もう一つは、合意にかかわる相対的要因である。細かくは、動的失業が起こる要因として個別に3つの要因が考えられる。一方、職を持たない静的失業は自然状態である。つまり、職を持たない状態こそが本来の状態である。そこから職を持つため、すなわち自然状態である静的失業状態を解消するためには、7つの壁があり、それぞれの壁を乗り越えることで静的失業状態は解消される。そのため、その7つの壁が静的失業の要因と考えられる。また、それぞれに加助側・被助側を要因とする理由が考えられる。
キーワード:失業、動的失業、静的失業、絶対的要因、相対的要因』

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

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19 計画経済と市場経済:価値観と判断力

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『19.1要約
 本章では、計画経済が破たんし市場経済が生き残った理由を、第三部の経済の仕組みを基に明らかにする。従来の経済学で言われている諸説では、市場経済の方が計画経済に対し、生産性において優っている事が、その理由とされるが、それは誤りである。このトピックに関して大きな論争を巻き起こした経済計算論争の経緯、および実際の統計データを基に、その誤りを指摘する。その上で、本論の考えを基に、価値観に違いの生まれる現在においては、多様な方向性を見出すことが出来なかった計画経済が破たんし、それが可能であった市場経済が生き残った事を示す。また、計画経済的な政策を採った他の事例でもこの説明が有効である事に言及することで、その説を補強する。
キーワード:計画経済、市場経済、方向性、価値観、経済計算論争』

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

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18 価値のパラドックス:二つの側面

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『18.1要約
 「役に立つ物ほど価値は高いはずなのに、そうとは限らないのはなぜか」価値のパラドックスと呼ばれるこの疑問は、長い間経済学において議論されていた疑問であった。現在では希少性の原理に基づき、限界効用理論を使うことで説明が出来ると考えられている。しかしながら、この説明は、この疑問に本質的に答えたものではない。本章では、前章までの経済の仕組みをもとに、この疑問への本質的な説明を試みる。その違いは二つの側面の認識にある。
 結論を言えば、みんながやって欲しい事(被助の側面)でも、誰でも「出来る」もしくは「やりたい」と思う事(加助の側面)は評価が低く、みんなが「出来ない」もしくは「やりたがらない」事(加助の側面)はより評価が高くなる。つまり、価値のパラドックスとは、被助の側面だけで考えていたためパラドックスに見えていただけである。
キーワード:価値のパラドックス、二つの側面、希少性、限界効用理論』

 

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

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第三部あらまし

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『この第三部では、第二部で見てきた歴史の中から、経済の仕組みを知る上で重要と思われる要素を取り出し、それらの意義や関係性を明らかにすることで、経済の仕組みを明らかにする。

あらまし

 第10章では、助け合いを行うメリットを再確認する。このメリットを要約すると、専門化による生産性の増加と助け合いの規模の拡大に伴う多様性の拡大ということが出来る。

 第11章では、助け合いの原動力とでもいうべき生産について、その関係性が明らかにされる。その関係性とは生産=労働量×生産性で表される。労働量は労働時間と意欲および家畜などの外部労働から成っている。生産性は内部能力と外部能力および人工物から成っており、投資によって上がる。この分野に関しては従来の経済学でも研究が進められており、それほど目新しいものではない。

 第12章は、助け合いの方向性について書かれている。この方向性という要素は、従来の経済学に欠けていると思われる要素である。この方向性を端的に表すなら「何をして助け合いを行うか」である。方向性の中には更に、被助と加助の二つの側面があり、被助の側面は「何を助けてもらうか」であり、加助の側面は「何をして助けるか」である。この二つの側面が一致する事で助け合いは行われている。助け合いが意味を持つためには、被助の側面に一致するような加助の側面が求められる。しかしながら、高度な助け合いを行おうとすると被助の側面を予測して行う必要が出てくる。また、被助側も自らが必要とする被助を知る必要があるが、そこには価値観と判断力という混同して使われがちな二つの要素を考慮に入れる必要がある。

 第13章では、先の方向性を決める方法について書かれている。本論では、人類史の考察から大きく三つの助け合いの仕方について言及している。一つは、自然な助け合いであり原始の時代から我々が行い、現在でも助け合いと聞いたときに思い浮かべる形態である。もう一つは、グループによる助け合いであり、計画経済や国の活動である政治はこれにあたる。最後が、取引の助け合いであるが、現在で言う市場経済などがこの代表である。本論では、以上の三つに特に言及しているが、他の助け合いの仕方も存在していると考えられる。また、これらの助け合いは個別に存在しているのではなく、互いに補完するように存在しており、この補完関係が社会を構成しているとも言える。

 第14章では、助け合いの範囲について説明がなされている。略奪・差別・奴隷制度や愛国心グローバル化エコロジーといった問題はこの範囲をどう捉えるかで説明される。

 第15章では、貨幣に関し、その意味や価格について今一度説明がなされる。貨幣とは「助け合いの媒介物」であり、その意味は「助けた証」であり「助けてもらう権利」である。また、価格とは被助側・加助側双方が合意に達した時につく相対的なもので、経済学が考えるような客観的な数値ではない。そのため、互いにとって合意が生まれる範囲でなら、いくらでも成立しうる。

 第16章では、現在の経済の仕組みに触れている。ここでは特に現代経済の代表主体である国や自治体、および企業について、その仕組みを簡単に明らかにしている。』

 

 『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

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第二部あらまし

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

『「歴史は有用な学問分野になるだろう。その有用性というのは、予言ではなく、過去と現在を考えるための枠組みを提供することである」(スタブリアノス 、25頁)

 歴史を見ると、多少の浮き沈みはあるが、大きな流れとして人類は発展してきたと考えられている(ダイアモンド、上巻20頁)。そこで、第二部では、我々の生活がどのように発展してきたかを助け合いの観点から説明することで、アブダクションに必要な広い範囲での説明力を示す。

あらまし

 第3章では、狩猟採集時代の発展を経済=互助の観点から明らかにする。この時代の発展は、過去からの助けである知識や道具の利用、および言語の獲得を通じた助け合いの高度化で説明される。

 第4章では、定住革命による発展の説明がなされる。これは、定住により道具の蓄積が容易になったことと、グループ規模の拡大に伴い助け合いの範囲が広がったことで説明される。また蓄積により略奪が容易となり、近接して生活することで摩擦が増え、争いが増えていったとの考えが示される。

 第5章では、争いが増える中で強力なリーダーが登場し、そのリーダーに判断を委ねる事で、それまでは出来なかった灌漑事業などの大規模な助け合いや非生産階級の台頭といった、新たな助け合いが行われるようになっていく過程が説明される。また、判断を委ねる事が常態化することで支配権が生まれ、その支配権の及ぶ範囲が国として認識される様になる。この支配権の及ぶ範囲でリーダーの判断に基づいて強制による助け合いが行われる。この社会では、範囲内の出生率の増加や死亡率の低下、および戦争による略奪や侵略を通じて助け合いの規模を広げていった。

 第6章では、前章までに示してきたグループの規模の増加に根差した意識的助け合いではなく、より無意識的な個別の助け合いについて説明がなされる。これは現在の市場経済に通じる助け合いのあり方で、取引の助け合いという事が出来る。この取引の助け合いでは取引を行う範囲の拡大が、助け合いの拡大を意味する。商人や市、貨幣といった存在が、この取引を拡大させてきた様が説明される。

 第7章では、家畜や機械・動力といった存在が、助け合いを増進する新たな労働力として社会の発展に寄与してきた様が説明される。

 第8章では、衰退・停滞・荒廃・疫病といった発展に対するネガティブな要素と助け合いの関係が説明される。』

 

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第2章:市場経済における互助の仕組み

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

 『本章では、この「経済=互助」との考えが倫理や道徳的な話ではなく、あくまで現実の経済の仕組みを表す考えであることを示すために、まずは筆者がもともと経済と聞いた時に想像していた市場経済について、簡単な説明を試みる。

 この市場経済とは、交換媒体として貨幣を利用した取引の経済である。この部分を経済=互助で捉え直す場合、次のように言い換えることが可能となる。

2.1基本的関係性

 簡潔に市場経済の仕組みを表すならば「助けた時に貨幣をもらい、助けられた時に貨幣を払う」事で助け合いを行うシステムと言える。

 例えば、私たちが服を購入する際を考えてほしい。服を買うということは、自分では縫えない、または縫うための時間がない多くの人が服を買うことで、服を縫ってもらって助けてもらっていると言えるのである。つまり、売る側は服を縫うことで助けているのであり、買う側が助けてもらっているのである。そして服を縫った者は、その時に得た貨幣を使って食糧などを買うことが出来る。つまり、自分では作っていない食糧を誰かに作ってもらい助けられている。

 こうすることで、一人で服も食糧も作るのではなく、服を作る人間は食糧を作る手間から解放され、服を作ることに集中することで手間を省き、また熟練度を上げることなどで、生産性や質を高めることが出来る。食糧を作る側も同様に、服を作る作業から解放され、食糧を作る作業に集中することで、生産性を高めることが出来る。アダム・スミス(2000-2001)の述べるように、このような分業の連鎖が、一人一人でそれぞれ作業をするよりも、全体としての生産性やその質が上がる点に、経済の根本的メリットがある。

 更に言えば、服を購入する貨幣も、元々は誰かを助けたために得たものである。このように誰かを助けた対価として貨幣をもらって行う働きを、我々は一般に仕事と呼んでいる。つまり我々は仕事をすることで誰かを助け、その対価として貨幣を受け取り、それを使って誰かに助けてもらっているわけである。

 すなわち市場経済とは、誰かを助けた時に貨幣を受け取り、助けてもらった時に貨幣を支払いながら助け合いを行う仕組みと言えるわけである。』

 

第2章では更に以下の節が続きます。

2.2助け合いの連鎖

2.3貨幣について

2.4助けている相手

 

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