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現実の経済を前提とした経済原理

あなた自身の経験に照らし合わせて確かめてください

第2章:市場経済における互助の仕組み

『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』

 『本章では、この「経済=互助」との考えが倫理や道徳的な話ではなく、あくまで現実の経済の仕組みを表す考えであることを示すために、まずは筆者がもともと経済と聞いた時に想像していた市場経済について、簡単な説明を試みる。

 この市場経済とは、交換媒体として貨幣を利用した取引の経済である。この部分を経済=互助で捉え直す場合、次のように言い換えることが可能となる。

2.1基本的関係性

 簡潔に市場経済の仕組みを表すならば「助けた時に貨幣をもらい、助けられた時に貨幣を払う」事で助け合いを行うシステムと言える。

 例えば、私たちが服を購入する際を考えてほしい。服を買うということは、自分では縫えない、または縫うための時間がない多くの人が服を買うことで、服を縫ってもらって助けてもらっていると言えるのである。つまり、売る側は服を縫うことで助けているのであり、買う側が助けてもらっているのである。そして服を縫った者は、その時に得た貨幣を使って食糧などを買うことが出来る。つまり、自分では作っていない食糧を誰かに作ってもらい助けられている。

 こうすることで、一人で服も食糧も作るのではなく、服を作る人間は食糧を作る手間から解放され、服を作ることに集中することで手間を省き、また熟練度を上げることなどで、生産性や質を高めることが出来る。食糧を作る側も同様に、服を作る作業から解放され、食糧を作る作業に集中することで、生産性を高めることが出来る。アダム・スミス(2000-2001)の述べるように、このような分業の連鎖が、一人一人でそれぞれ作業をするよりも、全体としての生産性やその質が上がる点に、経済の根本的メリットがある。

 更に言えば、服を購入する貨幣も、元々は誰かを助けたために得たものである。このように誰かを助けた対価として貨幣をもらって行う働きを、我々は一般に仕事と呼んでいる。つまり我々は仕事をすることで誰かを助け、その対価として貨幣を受け取り、それを使って誰かに助けてもらっているわけである。

 すなわち市場経済とは、誰かを助けた時に貨幣を受け取り、助けてもらった時に貨幣を支払いながら助け合いを行う仕組みと言えるわけである。』

 

第2章では更に以下の節が続きます。

2.2助け合いの連鎖

2.3貨幣について

2.4助けている相手

 

多くの人に拡散していただいて、様々な意見を頂けたらありがたく思っています。

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