18 価値のパラドックス:二つの側面
『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』
『18.1要約
「役に立つ物ほど価値は高いはずなのに、そうとは限らないのはなぜか」価値のパラドックスと呼ばれるこの疑問は、長い間経済学において議論されていた疑問であった。現在では希少性の原理に基づき、限界効用理論を使うことで説明が出来ると考えられている。しかしながら、この説明は、この疑問に本質的に答えたものではない。本章では、前章までの経済の仕組みをもとに、この疑問への本質的な説明を試みる。その違いは二つの側面の認識にある。
結論を言えば、みんながやって欲しい事(被助の側面)でも、誰でも「出来る」もしくは「やりたい」と思う事(加助の側面)は評価が低く、みんなが「出来ない」もしくは「やりたがらない」事(加助の側面)はより評価が高くなる。つまり、価値のパラドックスとは、被助の側面だけで考えていたためパラドックスに見えていただけである。
キーワード:価値のパラドックス、二つの側面、希少性、限界効用理論』
『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』
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