第五部:経済学の現実
『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』
『23 結論
以上記した様に、まずもって経済学に対する認識が一般の人々と経済学者では大きく違っている。基本的に一般の人々は、経済学が現実の経済に対する学問だと考えているが経済学者はそう考えていない。
中でも主流派とよばれる数理経済学は非常に現実から乖離しており現実の経済に対しては誤った理論である。また、それら主流派を批判する非主流派とよばれる多くの理論は、主流派に比べると現実に近づいているが、とはいえ、その非主流派も含め、現在までの多くの経済理論は根本的に現実の経済を扱おうとさえしていない様に見える。
経済学史的に本論を位置づけるなら、アダム・スミスからカール・メンガーへの流れの先に位置付けられると考えられる。経済学批判に関しては、批判的実在論者に同意するものであり、その整合性も高いと考えている。他にも、今までとは違うアプローチで現実に適合した理論を探そうと、その方法論から模索している進化経済学などには共感を覚えるものである。しかしながら、批判的実在論者達も進化経済学者達も今までの理論の代わりとなるような新しい理論は提案できていない。そこで、今までの理論の代わりとなる新しい経済の基礎理論として本論を上梓する。』
『現実の経済と経済学の現実:社会科学のコペルニクス革命』
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